医学部

基礎医学とは?主要な科目を紹介します【現役医学生が語る】

基礎医学とは?主要な科目を紹介します【現役医学生が語る】

こんばんは、めーぷるです。

3月も残りわずかとなり、いよいよ入学シーズンですね。

医学部の場合、低学年では基礎医学を学ぶこととなります。

今回はこの「基礎医学」とはどのようなものなのかについて、解説していきます。

めーぷる
めーぷる
今回は専門的な話は抜きにするね!

基礎医学とは

基礎医学とは

そもそも、「基礎医学」という言葉を聞いたことはありますか?

臨床医学のための基礎知識となる

基礎医学とはその名の通り、医学の中でも基礎的な部分です。

低学年のうちに人体の基本的な構造や機能について学び、その知識を総動員して臨床医学へとつなげていくわけです。

基礎医学にはどのような科目があるのかについては後ほど説明いたします。

基礎医学の研究

基礎医学は日々研究も行われています。

医学部で基礎医学の授業をしている教授も研究者の一人です。

授業以外の時間に、基礎医学で新たな発見をすべく頑張っているはずです。

医学部を卒業した人はその大多数が臨床医としての道を選択する一方、ごく一部の人は基礎医学の研究に回ります。

身近な例で言うと、iPSの研究でノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥さんも基礎医学の研究者の一人ですね。

彼の場合は医学部を卒業後、一度整形外科として臨床医を目指したものの、自分には向いていないと悟り、基礎研究の道に移ったと言われています。

低学年で基礎医学を学ぶうちに興味がある分野が出てきたら、研究室を覗くなどして研究の方にも視野を広げてみると、新たな世界が拓けてくるかもしれませんね。

基礎医学で扱う科目

基礎医学で扱う科目

具体的に基礎医学ではどのような科目を扱うのでしょうか。基礎医学の中でも代表的な科目について紹介します。

解剖学

医学部の授業と聞いて解剖学を思い浮かべると言う方も少なくないことでしょう。

解剖学では人体の構造について主に学んでいきます。

一口に解剖学と言っても、実際は骨学・組織学・肉眼解剖学・発生学といったパートに分けられます。

覚えるべき事項が多いことに加え、スケッチや人体解剖で体力的にもきつい科目です。

解剖学については以下の記事に詳しく書いていますので、あわせてお読みください。

医学部の解剖学について解説する【前半戦最大の試練】
医学部の解剖実習について解説する【覚悟すべし】こんばんは、めーぷるです。 ついに国公立大学前期試験の結果が出揃いましたね。 受験生の皆さん、お疲れ様でした。 ...

生理学

解剖学と並んで、基礎医学の2大巨頭と言っても過言では無いのが生理学です。

解剖学では人体の構造について学ぶのに対し、生理学では人体の機能について学んでいきます。

わかりやすい例で言うと、体温調節や摂食・飲水調節、性機能の仕組み等も生理学の範囲の一部です。

また、生理学では薬理学や生化学の知識も結構使うので、その辺りの知識と上手にリンクできると良いですね。

イメージしにくい話も少なくないですが、わかってくると意外と楽しい科目なのではないかと。

生化学

生化学は、タンパク質や脂肪酸の合成・分解など、かなり幅広いことについて学んでいきます。

「クエン酸回路」など高校生物の範囲と重複する部分もあります。

生化学は基本的に「見えないもの」について覚えていくためにイメージが難しく、正直ぼくもあまり好きではありません。

先ほども述べた通り生理学や薬理学と関係する部分があるので、それらと合わせて勉強することで多少実感が湧きやすくなるのかなと。

薬理学

薬理学では「薬理作用」について学びます。

薬理作用って何?

薬理作用とは具体的に言うと、その薬がどの受容体を刺激・阻害し、いかなる効果をもたらすのかということです。

例えば、「ブロモクリプチンはD2受容体作動薬であり、パーキンソン病の治療に用いられる。」

といった感じですね。

とにかくよくわからないカタカナがたくさん出てくるのですが、気合いで覚えるしかないですね。

免疫学

免疫学では人体の免疫機構について学びます。

例えばあなたが転んで膝に傷を負い出血した場合、白血球やサイトカインなどの幾多の相互作用によって止血が行われます。

このような人体の各所で繰り広げられる「闘い」について見ていく学問こそ、免疫学なのです。

特に臨床チックな話を楽しみにしているという方にとってはなかなか興味深い学問なのではないでしょうか。

病理学

医師の中にも病理医という方がいることはご存知でしょうか?

病理医というのは患者さんから採取した組織を顕微鏡を使って観察し、そこから臓器に起きている以上を判定します。

病理学ではこのような鑑定をするに当たって必要な基礎知識を学んでいきます。

解剖学で学ぶ組織学の知識が大前提となってくる学問ですので、時折組織学に立ち返りながら勉強すると良いかと。

その他

上で見てきた代表的な科目以外にも、基礎医学には微生物学や寄生虫学、遺伝学、公衆衛生学など色々あります。

科目名やカテゴリー区分は大学によって変わってくる部分もあるかもしれません。

基礎医学を一通り学んで

基礎医学を一通り学んで

ぼくの大学では、2年生までに基礎医学の勉強を一通り終えましたので、その経験を元に感想をお話していきます。

科目間の繋がりを大切にすべし

ぼくが基礎医学を学んでいて楽しいなと感じたのはどのような時なのか。

それはずばり、他の科目と知識がリンクした瞬間です。

基礎医学の科目は独立に考えてしまうと単調な暗記ばかりで、つまらないことが多いというのが正直なところです。

それでも、ある程度いろんな科目を学ぶと、

めーぷる
めーぷる
このワード、○○学でも出てきたな?

というような瞬間が出てくるんですね。

こうした科目間の繋がりが見えてくると、多少はモチベも上がるかと。

まずは解剖学と生理学

先輩方の話を聞く限り、臨床医学の勉強を見据える場合、解剖学と生理学の2きちんと勉強するだけでもかなり楽になるようです。

基礎医学全部を完璧にするとなると絶望的ですが、2科目だけとなると少し気が楽になりますね。

めーぷる
めーぷる
ぼくも春休みの間にこの2科目を少しおさらいしました。

これから基礎医学を学ぶ方へ

これから基礎医学を学ぶ方へ

さて、今回は基礎医学とはどのようなものであるのかについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介したような基礎医学の科目についての大雑把なイメージを持っておくだけでもいくらか違ってくるはずです。

ぼく自身はこの春3年生になり、いよいよ臨床医学の勉強が始まります。

今後の臨床医学の勉強を通して、基礎医学に対する見方も変わってくることでしょうし、その時はまたブログを通してお伝えしますね。


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