2020年と言えば、「東京オリンピックだ!」というイメージが強い方も多いことでしょう。
実は2020年はピアニスト達にとっても大きな意味を持つ年となっています。そう、「ショパン国際ピアノコンクール」が開かれるのです。
先日、ショパン協会から予備予選出場者ならびに本選出場シード権獲得者が発表されました。
ということで、今回は要注目メンバーを見ていこうと思います。
予備予選出場者
以下、公式サイトから引用した予備予選出場者一覧です。
Leonora Armellini (Italy, 1992-06-25)
Alim Beisembayev (Kazakhstan, 1998-02-10)
Tymoteusz Bies (Poland, 1995-06-09)
Anfisa Bobylova (Ukraine, 1992-02-18)
J J Jun Li Bui (Canada, 2004-06-10)
Łukasz Byrdy (Poland, 1994-06-29)
Michelle Candotti (Italy, 1996-05-18)
Luigi Carroccia (Italy, 1991-06-19)
Kai-Min Chang (P.R.C., 2001-03-15)
Han Chen (P.R.C. Taiwan, 1992-02-20)
Junhui Chen (P.R.C., 1994-09-24)
Zixi Chen (P.R.C., 2002-09-17)
Xuehong Chen (P.R.C., 1999-12-12)
Hyounglok Choi (South Korea, 1993-11-18)
Martina Consonni (Italy, 1997-10-16)
Diana Cooper (France, 1997-07-21)
Federico Gad Crema (Italy, 1999-02-11)
Aleksandra Dąbek (Poland, 1996-10-01)
Stephanie Draughon (United States, 2002-12-10)
Hsin-Yu Duan (P.R.C. Taiwan, 1990-07-01)
Mateusz Duda (Poland, 1996-06-13)
Alberto Ferro (Italy, 1996-03-01)
Jonathan Fournel (France, 1993-10-02)
Yasuko Furumi (Japan, 1998-02-05)
Alexander Gadjiev (Italy/Slovenia, 1994-12-23)
Martín García García (Spain, 1996-12-03)
Jean-Paul Gasparian (France, 1995-08-27)
Eva Gevorgyan (Russia/Armenia, 2004-04-15)
Ana Gogava (Georgia, 1992-04-14)
Katarzyna Gołofit (Poland, 1992-08-03)
Jorge Gonzalez Buajasan (Cuba, 1994-07-08)
Joanna Goranko (Poland, 2001-02-21)
Chelsea Guo (United States, 2001-01-02)
Eric Guo (Canada, 2002-08-01)
Xu Guo (P.R.C., 1995-08-28)
Katharina Hack (Germany, 1994-07-14)
Chi Ho Han (South Korea, 1992-01-19)
Saaya Hara (Japan, 1999-02-17)
Yukino Hayashi (Japan, 1991-01-19)
Wataru Hisasue (Japan, 1994-08-19)
Yifan Hou (P.R.C., 2004-04-09)
Wei-Ting Hsieh (P.R.C. Taiwan, 1996-05-07)
Yun Chih Hsu (P.R.C. Taiwan, 1997-03-13)
Kaoruko Igarashi (Japan, 1994-08-22)
Hana Igawa (Japan, 1993-03-13)
Riko Imai (Japan, 2001-07-05)
Grigoris Ioannou (Greece, 1995-02-16)
Seika Ishida (Japan, 1997-02-06)
Junichi Ito (Japan, 1991-02-27)
Andrei Ivanou (Belarus, 1990-05-19)
Asaki Iwai (Japan, 2000-06-08)
San Jittakarn (Thailand, 1992-02-05)
Joo-Yeon Ka (South Korea, 1995-12-20)
Yukino Kaihara (Japan, 1992-02-21)
Hyelee Kang (South Korea, 1993-06-22)
Hyelee Kang (South Korea, 1995-01-21)
Elizabeth Karaulova (Russia, 1997-06-10)
Airi Katada (Japan, 1992-07-05)
Eylam Keshet (Israel, 1992-05-13)
Konstantin Khachikyan (Russia, 1995-07-28)
Nikolay Khozyainov (Russia, 1992-07-17)
Honggi Kim (South Korea, 1991-07-08)
Jun Ho Kim (South Korea, 1995-03-29)
Su Yeon Kim (South Korea, 1994-06-04)
Hyelim Kim (South Korea, 1996-12-31)
Yurika Kimura (Japan, 1993-03-26)
Carmen Knoll (United States, 1997-09-10)
Aimi Kobayashi (Japan, 1995-09-23)
Qi Kong (P.R.C., 1993-10-29)
Pavle Krstic (Bulgaria, 1998-06-03)
Mateusz Krzyżowski (Poland, 1999-03-06)
Yukine Kuroki (Japan, 1998-12-12)
Jakub Kuszlik (Poland, 1996-12-23)
Shushi Kyomasu (Japan, 1996-06-04)
Hyuk Lee (South Korea, 2000-01-04)
Jaeyoon Lee (South Korea, 1997-07-19)
Shuan Hern Lee (Australia, 2002-07-19)
Ning Yuen Li (P.R.C. Hong Kong, 1993-11-02)
Xiaoxuan Li (P.R.C., 2001-12-21)
Xinjie Li (P.R.C., 2004-07-22)
Daumants Liepiņš (Latvia, 1994-12-02)
Hao Wei Lin (P.R.C. Taiwan, 2004-09-15)
Bruce (Xiaoyu) Liu (Canada, 1997-05-08)
Ziyu Liu (P.R.C., 1998-05-11)
Julia Łozowska (Poland, 2001-05-16)
Ignas Maknickas (Lithuania / United States, 1998-10-29)
Xuanyi Mao (P.R.C., 1995-11-27)
Tomasz Marut (Poland, 1996-08-18)
Yupeng Mei (P.R.C., 1994-04-06)
Asaka Miyoshi (Japan, 1994-06-02)
Momoko Mizutani (Japan, 1991-08-10)
Arsenii Mun (Russia, 1999-03-15)
Mayaka Nakagawa (Japan, 1993-12-29)
Yui Nakamura (Japan, 1995-10-24)
Viet Trung Nguyen (Vietnam/Poland, 1996-09-30)
Mariko Nogami (Japan, 1991-04-19)
Arisa Onoda (Japan, 1996-01-16)
Georgijs Osokins (Latvia, 1995-04-25)
Parker van Ostrand (United States, 2003-06-30)
Anke Pan (Germany, 1993-03-31)
Eryk Parchański (Poland, 2002-05-18)
Jinhyung Park (South Korea, 1996-06-27)
Yeon-Min Park (South Korea, 1990-11-28)
Jiana Peng (P.R.C., 1996-06-28)
Leonardo Pierdomenico (Italy, 1992-11-27)
Zuzanna Pietrzak (Poland, 1997-08-21)
Agnė Radzevičiutė (Lithuania/Canada, 1992-02-15)
Hao Rao (P.R.C., 2004-02-04)
Yangyang Ruan (P.R.C., 1999-07-21)
Kazuya Saito (Japan, 1990-02-01)
Cristian Sandrin (Romania, 1993-06-23)
Sohgo Sawada (Japan, 1998-11-09)
Aristo Sham (P.R.C. Hong Kong, 1996-03-12)
Meng-Sheng Shen (P.R.C. Taiwan, 1990-10-29)
Kotaro Shigemori (Japan, 2000-01-11)
Changyong Shin (South Korea, 1994-04-15)
Miyu Shindo (Japan, 2002-04-26)
Mana Shoji (Japan, 1997-02-10)
Talon Smith (United States, 2002-02-14)
Kyohei Sorita (Japan, 1994-09-01)
Vitaly Starikov (Russia, 1995-05-08)
Szuyu Su (P.R.C. Taiwan, 1998-03-14)
Hayato Sumino (Japan, 1995-09-30)
Aleksandra Świgut (Poland, 1992-01-21)
Rikono Takeda (Japan, 1993-12-12)
Marcel Tadokoro (France, 1993-09-25)
Shun Shun Tie (P.R.C., 2000-05-07)
Mateusz Tomica (Poland, 1997-04-14)
Sarah Tuan (United States, 2002-07-29)
Monika Ruth Vida (Hungary, 1996-01-11)
Zhu Wang (P.R.C., 1995-02-05)
Zitong Wang (P.R.C., 1999-02-03)
Bocheng Wang (United Kingdom, 1997-05-20)
Chanel Wang (United States, 2000-06-26)
Chao Wang (P.R.C., 1990-01-16)
Liya Wang (P.R.C., 2001-12-10)
Yijia Wang (P.R.C., 1995-09-05)
Zijian Wei (P.R.C., 1998-04-27)
Jacek Wendler (Poland, 1995-07-27)
Marcin Wieczorek (Poland, 1996-07-12)
Andrzej Wierciński (Poland, 1995-11-21)
Sze-Yuen Wong (P.R.C. Hong Kong, 1997-09-21)
Victoria Wong (Canada, 1997-02-15)
Maciej Wota (Poland, 1992-12-05)
Maiqi Wu (P.R.C., 2003-10-20)
Yuchong Wu (P.R.C., 1995-12-28)
Lingfei (Stephan) Xie (P.R.C., 2000-12-12)
Biguo Xing (P.R.C., 1999-07-27)
Zi Xu (P.R.C., 1994-12-24)
Miki Yamagata (Japan, 2002-03-11)
Yuanfan Yang (United Kingdom, 1997-01-02)
Anastasia Yasko (Russia, 1991-06-12)
Suah Ye (South Korea, 2000-08-09)
Shih-Hsien Yeh (P.R.C. Taiwan, 1992-07-25)
Yi Yi (P.R.C., 1990-07-24)
Hao Zi Yoh (Malaysia, 1995-05-08)
Se-Hyeong Yoo (South Korea, 1990-02-28)
Jessica Yuma (Canada, 2003-02-13)
Andrey Zenin (Russia, 1995-01-18)
Boao Zhang (P.R.C., 2003-11-29)
Kaiwen Zhao (P.R.C., 2000-09-12)
Yilan Zhao (P.R.C., 1995-03-14)
Ziji Zhao (P.R.C., 1999-09-13)
Tianyu Zhou (Canada, 1993-11-22)
今のところ予選出場者は164名とのことです。
「多いなぁ。」と思われるかもしれませんが、この前の段階で書類審査とテープ審査が行われていて、これでもかなりの倍率を潜り抜けてきたメンバーとなっています。
日本人出場者
日本人出場者は全部で31名。なんと20%近くのコンテスタントが日本人となっています。
ちなみにお隣の国の韓国も負けじと(?)30名ものコンテスタントを送り込んできています。
「アジア人のためのコンクール」となりつつあるのを実感しますね。
話は逸れましたが、ここではその中でも特に要注目の日本人コンテスタントを見ていくことにしましょう。
反田恭平
今最も人気のある日本人ピアニストの一人である反田恭平さん。
18歳にして日本音楽コンクールを制した実力の持ち主です。しかしながらそれ以降はコンクールに挑戦することなく、数多くのリサイタル活動を行ってきました。
かねてよりショパコンにエントリーするのではないかと言われていましたが、コンテスタントとして演奏するのは彼にとってかなり久しぶりです。
知る限りでは国際コンクール初挑戦なのではないかと。
とはいえ「今最もチケットが取れない日本人ピアニスト」と言われるまでの実績を築きあげてきた彼のことですので、心配する必要はないでしょう。
彼自身が漫画「ピアノの森」の大ファンだとのことで、ひょっとしたらその影響も少なからずあるのでは……?とも思ったり。
研ぎ澄まされた弱音は絶品で、ショパンの曲を演奏するにあたってはかなり有利なのではないでしょうか。
ショパンのピアノソナタ第3番の演奏動画はこちら。
かなり個性的な演奏も多いため、それが審査員にどう評価されるのかが読めないところもあります。
(個性派と言いますと、例えば2015年はGeorgijs Osokinsが快進撃を見せましたよね。彼も今回再挑戦するそうで。)
角野隼斗
反田さんとはまた違った方面で絶大な人気を誇っているピアニストが角野隼斗さん。
何と言っても、東大生ながらPTNA2018のグランプリに輝いたことで一躍話題になりました。
さらに最近ではクラシックのピアニストに止まらず、「かてぃん」の名で幅広いジャンルの楽曲をオリジナル編曲を交えつつカバーしています。
リヨン国際ピアノコンクールで3位を受賞するなど、クラシックの世界でも着実に実績を積み上げています。
ドラムをやっていたこともありリズム感は群を抜いている印象。男性らしい力強い演奏が持ち味と言えるでしょう。
ショパンだと、練習曲Op.10-1、Op.10-3、Op.25-10、Op.25-11、スケルツォ1番、バラード2番、マズルカ風ロンド、ピアノ協奏曲第1番は少なくとレパートリーとして持っているようです。
予備予選もおそらくこの辺りの曲から選曲するのではないかと予想。もちろん、まだ舞台で弾いてない曲もあるでしょうけどね。
このマズルカ風ロンドは個人的にめちゃくちゃ好きな演奏です。
最近、ショパコンについてチラッと語ったメディアがあったので、こちらも読んでみると興味深いかもしれません。
https://ontomo-mag.com/article/interview/hayatosumino-bucketlist/
古海行子
17歳にして2015年のショパンコンクールに挑戦している彼女は、今回が2度目の出場。
前回大会も、見ていて「どうして2nd Stageに進めなかったんだろう?」と感じるほど素晴らしい演奏を見せてくれました。
ここ最近では、
- 2018年 PTNA特級3位&聴衆賞 高松国際ピアノコンクール優勝
- 2019年 パデレフスキ国際ピアノコンクール第3位
といったように、着実に実績を積み上げており、5年前から凄まじい進化を見せています。
とにかく指がめちゃくちゃ回る上にタッチコントロールも正確。音の1つ1つがとても明瞭で心地よいです。
個性派というよりは楽譜に忠実に、丁寧に演奏する印象。
前回大会では練習曲Op.10-2、Op.10-5、Op.10-7、幻想曲などを弾いていましたが、予備予選の選曲に関しては5年も経っているので読めませんね。
Op.10-2に関しては得意中の得意のようなので、ほぼ間違いなくプログラムに組み込んでくることと思われます。
いずれにせよ、今大会ではファイナル進出も可能性十分。個人的に最も期待している日本人ピアニストです。
中川真耶加
こちらも2015年に続き再チャレンジを期す日本のエース格の一人。
めちゃくちゃ指が回るだけでなく、全体的に非常にバランスの取れた演奏を見せてくれます。
前回大会も3rd Stageまであと少し、というところで惜しくも姿を消しましたが、今回も有力候補に違いありません。
ショパンの練習曲で最も難しい曲の1つOp.25-6を極めて高い完成度で弾くことができるのは大きな強み。今回の予備予選でもほぼ確実にプログラムに組み込んでくることでしょう。
メロディーラインもくっきり。本当に素晴らしいですね。
小林愛実
かつてPTNAで金賞を取り続け、「天才少女」と言われていた彼女も、気が付けばもう24歳。今では立派な大人の女性に。
彼女もまたファイナル進出を果たした2015年に引き続き、再チャレンジを期す一人です。
かなり小柄で手も小さい部類のピアニストですが、その堂々とした演奏ぶりはそれを全く感じさせない力強さを秘めています。
前回はファイナルでやや息切れしてしまい、本領を発揮できなかった印象ですが、5年もの歳月が経った今大会では十分な準備をしてくることでしょう。
進藤美優
今年の1月に行われたショパン国際ピアノコンクール in ASIA第5回派遣コンクールの第3次審査および最終審査にて目の覚めるような演奏を披露したと話題の新星です。
古海行子さん・黒木雪音さんと並んで、テープ審査免除で予備予選出場権を得ただけに、その実力には期待がかかります。
現在はモスクワで研鑽を積んでおり、もうすでに国際コンクールへの出場経験もあるため、海外にはかなり慣れているようです。
正直最近までよく知らない方だったのですが、前回大会の3位、ケイト・リュウにタイプが似ているとの声も。
予備予選では一体どのようなショパンを聞かせてくれるのか、楽しみで仕方がありません。
15歳の時のショパンのピアノソナタ第2番の演奏があったので、どうぞ。
黒木雪音
昭和音楽大学では古海さんの一つ下の後輩で、同じ江口文子先生に師事していることもあり、仲も良さそうです。
国内外のコンクールで豊富な受賞経験を持っている実力者です。
どんなに技術的に難しい曲であっても極めて正確な演奏ができるのが彼女の最大の武器でしょう。YouTubeのコメント欄には「新しいユジャ・ワンだ!」との声もあるほど。
世界中の精鋭が集まるショパンコンクールであっても、特に難しいエチュードなどでは技術面の優劣が大きく評価に影響します。
彼女もまたOp.25-6が得意なようです。
すぐに見つかる演奏がこれしかなかったのですが、彼女の実力を考えると本領を発揮しきれなかった感さえしてしまいます。
とはいえ、少し前の演奏ですからね。今はかなり仕上げてきているに違いありません。
彼女もかなり勝ち進むのではないかと、個人的には予想しております。
気になる海外勢
そもそもレヴェルが高い大会なのでピックアップするのが非常に難しいのですが、個人的に要注目だと思う海外のコンテスタントをご紹介します。
CHI HO HAN
韓国出身の彼は前回大会でも3rd Stageに進出した実力者です。エリザベート王妃国際ピアノコンクール2016でも4位に入賞しています。
韓国のピアニストと言えば、Cho-Seong-Jinが圧倒的な実力・知名度を誇っていますが、今大会では彼に引き続き優勝を果たす可能性も十分です。
GEORGIJS OSOKINS
前回大会で異彩を放ち続け、ファイナル進出を果たした超個性派ピアニストです。
まず椅子の位置が異様に低いのですが、それもあってか他のピアニストにはない豊かな音を響かせます。
内声の処理が非常に巧みで、研究され尽くした感もあるショパンの名曲を独創的なものに変えてしまうのは流石。
小林愛美さんと同様、前回のファイナルでは不完全燃焼だった彼が、今回はどのような進化を見せつけてくれるのか非常に楽しみで仕方がありません。
前回大会の「舟唄」を聞いてみましょう。
パブでのライブコンサートをしているかのような自由さ。不思議と引き込まれていってしまう魔性溢れる音です。
Nikolay Khozyainov
ショパン国際ピアノコンクール2010で最年少ファイナリストとなって以来の出場です。
長らく国際コンクールからは姿を消していただけに、今大会の再挑戦は大きなサプライズであると言えます。
2010年当時からテクニックと音楽性を高次元で兼ね備えていただけに、10年の時を経て彼がどのように進化したのか、非常に楽しみです。
おなじみOp.10-1の演奏をどうぞ。
一箇所惜しい所がありますが、ご愛敬。それでも流石ですよ。ショパンの最難曲の一つですからね。上手くいかないことだってありますよ。
ちなみに、日本語のブログも存在するほどの日本通なんだそうですよ。
予備予選免除者
予備予選免除者は全部で9人です。指定された国際コンクールにて2位以上の成績を収めた実力者がひしめいています。
Piotr Alexewicz ‒ Poland (1st prize, OKP Warsaw 2020)
Avery Gagliano ‒ U.S.A. (1st prize, Miami 2020)
Adam Kałduński ‒ Poland (1st prize, Beijing 2019 and 2nd prize OKP Warsaw 2020)
Szymon Nehring ‒ Poland (1st prize, Tel Aviv 2017)
Evren Ozel ‒ U.S.A. (2nd prize, Miami 2020)
Kamil Pacholec ‒ Poland (2nd prize, Bydgoszcz 2019)
Piotr Pawlak ‒ Poland (1st prize, Darmstadt 2017 and 2nd prize, OKP Warsaw 2020
Yutong Sun ‒ China (2nd prize, Santander 2018)
Tomoharu Ushida ‒ Japan (2nd prize, Hamamatsu 2018)
Szymon Nehringは前回大会のファイナリストであり、ファイナルでの聴衆賞も受賞したポーランドの実力者です。
「ピアノの森」にてレフ・シマノフスキの演奏を担当したこともあり、日本でも馴染み深いピアニストなのではないでしょうか。
地元ポーランドのエースだけに、素晴らしい演奏を見せれば優勝におおいに近づくこと間違いなし。
前回大会ではメカニックの面でいくつか破綻が起きることがありましたが、最近では安定感も増しており、心配ないでしょう。
もう一人、神童として名を轟かせてきた牛田智大も選出されています。どことなく顔立ちが昔のユンディ・リに似てきた気がします。
丁寧な演奏が特徴で、ショパンはレパートリーの中心を担っていることもあり、かなり得意なのではないかと思われます。彼も躍進を期待できる一人ですね。
激しいはずのコーダをさらっと弾いてしまうあたりが彼らしい。
ここで一つ、こぼれ話を。
昨年、チャイコフスキー国際音楽コンクール2019のピアノ部門にて見事第2位を受賞された藤田真央さんですが、シード権を有しているにも関わらず、名前がありません。
先日のラジオ放送でご本人が話されていたのですが、なんと「エントリーするのを忘れていて、気付いたら期限を過ぎていました。」とのこと。
ゆるゆるとした雰囲気の彼らしいといえば彼らしいですが、まさかショパンコンクールでもやってのけるとは。
チャイコフスキー国際への出場を決めた当時は、ショパンコンクールに照準を合わせていたそうですが、思いがけず2位を受賞したことにより、いろいろと考えが変わったのかもしれませんね。
ファイナルの有力候補だっただけに、ファンとしてはやや寂しい気持ちもあるのですが、実は彼なりのキャリアプランがあるのかもしれませんからね・
予備予選、延期に【コロナウイルス恐るべし】
先日、ショパン協会から「予備予選を延期する」とのアナウンスがありまして、どうやら9月の18日から29日に開催という方向で固まったようです。
本選については今のところ特に日程変更が無いようなので、コンテスタント達はかなり多くの曲数を同時にこなすことを余儀なくされそうです。
東京オリンピックも延期が決定するなど、各方面に甚大な影響を与える新型コロナウイルス。
日本は被害を上手く食い止めている印象ですが、その一方アメリカやヨーロッパ諸国はかなり悲惨な状況になってきています。
コンクールはコンテスタントありきで行われるべきものです。
無事9月に開催して欲しいという思いもありますが、コロナが原因でコンテスタント達のコンディション調整に差が出る、という事態はなんとか避けて欲しいものです。
当然主催者は運営に関わるお金のことも気にしなければならないわけですが、なんとか出場者が納得のいく形での開催を心から望むばかりです。
おわりに
新型コロナウイルスの影響もありいきなり波乱の展開のショパンコンクール 2020。
しかしながら、今回の日本にはファイナルに進出してもおかしくない有力ピアニストがひしめいています。
今度こそ、初の日本人優勝者は誕生するのでしょうか。要注目です。
最後に、前回大会の模様はこちらの記事にありますので合わせてお読みください。
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